相続で気をつけること(2025/12/25)
亡くなった方の遺産を、相続や遺言によって受け継いだ場合には、一定の条件のもとで相続税が課されます。
相続税の支払いで特に大変なのが、「原則として、期限内に現金で一括納付しなければならない」という点です。そのため、相続税を支払うために不動産を売却せざるを得なくなり、いわゆる「相続税破産」と呼ばれるような事態になるケースを耳にしたことがある方もおられるのではないでしょうか。
相続は、ある日突然発生します。そのため、日ごろから相続を意識し、相続税対策を行っている方も多いかと思いますが、相続税には見落とされがちな落とし穴が存在します。
そこで今回は、土地相続において特に注意が必要なポイントについてお知らせします。
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親子間の「タダ貸し」が思わぬ税負担につながることも
親子間で不動産を貸している場合、実際には家賃のやり取りを行わず、いわゆる「使用貸借(無償貸与)」の形になっているケースも少なくありません。
一見すると問題がないように思えるこの形態ですが、相続が発生した際に、相続税の負担が想定以上に大きくなる可能性があります。
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小規模宅地等の特例が使えない可能性
土地を相続する際、評価額を大きく下げられる代表的な制度が「小規模宅地等の特例」です。
この特例は、被相続人が居住していた宅地や、事業に使用していた宅地について、一定の要件を満たせば、最大で評価額を8割減額できる非常に重要な制度です。
一方で、「貸付事業用宅地」としてこの特例の適用を受けるためには、
相当の対価(家賃)を得て、継続的に行われている賃貸であることが求められます。
親子間で家賃を受け取っていない、あるいは相場とかけ離れた形式的な賃貸となっている場合、税務上は貸付事業と認められず、小規模宅地等の特例が適用できない可能性があります。
その結果、土地の評価額を減額できず、相続税の課税額が大きくなってしまうケースもあるのです。
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事前の確認と専門家への相談が重要
親子間で土地や建物を使用・賃貸している場合には、
• 賃貸借契約の内容
• 家賃が相当な水準かどうか
• 実態を伴った賃貸になっているか
といった点を、相続が発生する前から確認しておくことが重要です。
相続対策は、「その時になってから」では対応できないことも多く、早めの準備が将来の大きな税負担を防ぐことにつながります。
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※本記事は一般的な制度の紹介を目的としたものであり、個別具体的な税務判断を行うものではありません。
※行政書士は税務の専門家ではありません。相続税に関する具体的な判断や対策については、必ず税理士または所轄の税務署へご確認ください。